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2006年05月19日

●よもやま話「阿久沢家住宅の屋根」

 国指定重要文化財「阿久沢家住宅」の屋根の上に、綺麗なアヤメの花が咲き始めました。筆者の子供の頃は、あちこちで見慣れた普通の風景であります。
 そんなアヤメの咲く家が欲しくて、欲しくて…しかし、我が家の屋根は瓦屋根…。平成16年12月、子供の頃の願望を叶えるべく、自分で、アヤメの咲く屋根の門を造りました。クズ(カヤ葺き)屋根ではありませんが…。きっと、今年も花を咲かせる事でしょう。
 さて何故アヤメの花が、屋根のグシに咲くの??良く阿久沢家住宅の案内をいたしますが、多くの方が、種が飛んで来たの??との質問が…そう思っている人の方が多いです。しかし、アヤメは球根ですから、人の手でなければ無理なんです。
 屋根のグシ押さえ、等々の理由があります。芝棟(シバグシ)と言い、芝を植えたり、イワヒバ(岩松)、イチハツ、ヤブカンゾウ等を植えます。水上町方面では、ノカンゾウが、吾妻方面では、アマドコロ等が植えられております。
 屋根の棟に芝や草花が植えられているのは日本だけではありません。イギリスやヨーロッパの国々でも良く見かけます。数年前にも、朝日新聞にアイリスが満開に咲いている、草葺き屋根の写真が掲載されていました。
 屋根の葺き方にも色々な流派があるそうです。「越後流」は、北毛・西毛・中毛。「会津流」は、利根地域。「筑波流」は、東毛方面との事。各地の有名流派は、「甲州流」・「紀州流」・「芸州流」・「野州流」等々があったとか…。
 萱葺屋根の耐用年数は??日当たり良好で約50年、裏側は25〜30年。麦ワラ葺きは、表、10年、裏5年位との事です。
 ちなみに、阿久沢家住宅は誰も住んでいないので、既に、平成8年に葺き替えられています。その時の費用は、1600万円です。(岐阜県・田中社寺株式会社施工)

阿久沢家住宅案内マップ

朝日新聞記事

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[平成18年5月18日 撮影]

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