« よもやま話「不思議な獅子頭」 | メイン | 赤城神社奉納武道大会 »

2006年05月05日

●よもやま話「赤城山中に眠る・「上毛及上毛人」の原稿」

 この郷土書を書したのは、旧大胡町・長善寺の住職であった豊国義考と言う方である。翁は慶応元年6月、多野郡日野村に生まれた。住職の子であったが、当時、僧籍にある者は妻帯が許されておらず、住職の妹の子として認知されたとの事を聞いた憶えがある。
 12歳頃得度、明治12年大胡町長善寺住職・豊国洞伝和尚に師事。明治19年、長善寺第26世の住職となる。明治32年6月、住職を隠退、還俗す。長善寺の財宝を売り払い、芸者遊びをした破壊坊主との噂も流れしが、師の残した足跡・功績は大である。その功績に依り、昭和29年1月、吉田茂内閣総理大臣より藍綬褒賞を賜っている。
 翁は板東日報発刊当時は高崎市に住み、後、前橋市に移る。戦時中は大胡町・長善寺の本堂前の建物に疎開。昭和29年2月、89歳の天寿を全うす。その夫人は翁を追う様に、一ヶ月後に他界す。青年期より晩年迄に残した記録・著書等は膨大である。
 実は、翁の娘は赤城山中で生涯を閉じている。そして、その孫、曾孫が翁の残した「上毛及上毛人」の原稿の一部を、祖母の遺品として大事に保管している。翁が記した全ての書籍等は、亡くなる前年の昭和28年、群馬県に寄贈されている。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hurusato-miyagi.jp/plog/mt-tb.cgi/1455

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)